ドイツ滞在記2024 ②

◆4日目 4/27(土) ~テディベアトータル初日&ゴールデンジョージ授賞式~

さあ今日はテディベアトータル初日!そして夕方にはゴールデンジョージの授賞式です!

協会の方の取り計らいもあって、日本人作家及び同行者には全員パスを発行して頂きました。なのでオープンよりも前に会場入りすることが出来ました。会場に1歩、足を踏み入れた瞬間から、そこは出展作家様のオリジナルテディベアにアンティークのテディベア、ベアグッズ、ベア素材、右を向いても左を向いてもベア、ベア、ベア。天国ですかー!!(笑)。

しかもその出展作家様のベアのクオリティの高さ、ディスプレイの素晴らしさ、興奮しまくりです。

どのベアもなんと端正なのでしょうか。なんだか私、稲妻に打たれたような感じすらしました。ああ、テディベアってこうだよね!これぞテディベアだよね、と、1人頷く私。なので心惹かれるベアに出会ったら、迷わず連れて帰ろう(ただしお財布とは相談しながらなのですが)と、心に決めていました。でもどの方のベアも本当に素晴らしい。迷いました。でも迷っているうちに、中国系バイヤーの方なのでしょうか?憧れていた作家さんの作品を、私が迷っている傍から次々と、あれも、これも、そっちも、あっちも、と、取って行ってしまわれました。一番最初にいいなって思ったベアも、私が指さしたその傍からサッととっていかれてしまって、、、でも負けてませんよ!私もちゃんと連れて帰ってくることが出来ました!スーツケースに入るの?と言われた60cmの大きな子です。やっぱり大きな子好きだなーって再認識しました。大きな子にばかり目がいってしまいます。ほっとするのかな。あ、あと、大きな子が多いんです。(こぼれ話ですが、ドイツの方はみなさんどなたも背が高い!!見上げるサイズ感の方ばかりな感じで、だからベアもおっきいのかな?なんて頭をよぎりました。)

さりとて、スーツケースの大きさは限りがあるので、もう一体大きな子は無理だよと、釘を刺され、もう一体は抱っこサイズ(38センチくらいかな)の子にしました。2人とも私の心にぐっとくるいい顔してる!あぁ、でもなんの制限もないのなら、それこそ会場全て買い占めて帰りたかったです。そのくらいどの方のベアも素晴らしいもので、そのどれもが伝統的、かつ、オリジナリティ溢れるベアで個性的。キャラクタナイズされた作品も多くありましたが、とにかく完成度とオリジナリティがすごいので、私にとっては勉強になることばかり。 テディベアの本場ってやっぱりすごいなーと、感心することしきり。そしてこのレベルの中で戦って、今迄にゴールデンジョージのトロフィーを手にした方々には、すごいことを成し遂げたんだなぁと、憧れと共に改めて尊敬の念に堪えません。

また、会場内にはベアを連れて歩いている人がたくさん!中には車輪のついたベアを引いて歩いている人もいらっしゃいましたよ。可愛かったー!私もインスタのストーリーに上げさせて頂きましたが、抱っこサイズのベアを連れて歩かせてもらいました。そうするとあちこちで「お、いいねぇ!」とサインを送って貰ったり、「それ、君のベア?いい子連れてるねー!」「あなたのベアも素敵。」と、話が弾んだり、私もベアも得意気に手を振りながら歩いて回りました。テディベアを通じて赤の他人と仲良くなる、そんな感じでした。あー、いいなぁ、この感じ。ベアを連れて歩くのにコソコソしなくていい感じ・・・って、私、普段も結構隠さず連れて歩く派なんですけどね(笑)。

話が逸れてしまいましたが、会場内の雰囲気はみなさんがそんな感じで、ベア愛に溢れた方ばかりでお互いのベアに敬意をはらい、褒め合います♡

会場内にはテディベア本体だけではなく、ベアの素材もたくさんありました。当然のことですが、円安と言えども、日本よりモヘアも安い!!私はベアの連れて帰る子はもう決まったので、その後は生地を中心に見て回りました。作家さんご自身が染めたきれいな色のモヘアに制作意欲をかき立てられ、今まであまり使ってこなかったようなピンクや紫なども含めて、沢山買い込みました。(そういえば、欲しかった深い赤のモヘアには出会えずじまいでした。欲しかったな、残念。)

夕方18時30分にはジョージディナーのシャンパンレセプションが始まるので、それに間に合うように、一旦ホテルに帰って、落ち着くよう一息入れ、着替えました。その後、協会の方と授賞式会場のレストランへとホテルからぼちぼちと街中を見ながら歩いて行くことに。

みなさんとご一緒させて頂いたおかげで、どれだけ緊張を紛らわすことが出来たことか!途中、街中でたくさんの人が食べていたアイスクリームに惹かれ、お店の場所を聞いてアイスクリーム屋さんに立ち寄ったり、チョコレートショップを覗いたり、そうこうしながら湖畔の会場レストランへ。ドキドキドキドキドキドキドキドキ

他の日本人作家様と合流し、オープンと同時に会場内へ入ります。スクリーンに映された「ようこそ」の文字にずらりと並んだゴールデンジョージのトロフィー、ここからはもう大袈裟に言うと記憶、ありません(笑)。

ビュッフェスタイルのディナーだったのですが、取りに立ちあがることも出来ず、みなさんに運んでいただく始末。飲み物は飲んでも飲んでも口がカラッカラという緊張状態でした。

さあ、ディナーのあとはゴールデンジョージの発表です。前回までのコロナ禍もあって来られなかった方の発表に続き、カテゴリー1から発表されていきます。さらに高まる私の緊張と興奮、そして不安。受賞された方々は、喜びの表現がとてもストレートで、弾けていて、嬉しさが伝わってきて、全然知らない方なのに既に泣きそうな私。

そしていよいよ日本人作家のノミネートされているカテゴリー4です。あぁぁ、どうしよう!お隣の席の@moltesachiさんが呼ばれて、スクリーン前へ行きます。ゴールデンジョージ!サチコイガラシ!と、名前が呼ばれた時はもうまるで自分の事のように興奮してしまい、すごい!すごい!と、涙が勝手にが溢れてきました。あの素晴らしい瞬間を共有させて頂いたこと、あの感動は忘れられません!心からおめでとうございます!

さあ、私はカテゴリー5です。

いよいよです。名前を呼ばれて、ノミネーターとしてスクリーン前へ。しかし、名前を呼ばれたのはスイスの作家さま、ライオンプリンスを作られた方でした。ああああぁ、やっぱりな!作品素晴らしかった!おめでとうございます!その気持ちと同時に、単純に「トロフィー取れなかった!」と、ここまで私を連れてきてくれた人達に申し訳ない気持ちや情けない気持ち、正直悔しい気持ちも溢れて来ました。ノミネートメダルだって立派なものなのに、その時は席に帰るととにかくもういろんな気持ちがごちゃごちゃになって涙してしまいました。

その後カテゴリー6、7と続き、最後にパプリックチョイス賞の発表です!ここでも日本人作家様のお名前が呼ばれました。これって凄いですよね!審査員の評価だけではなく、たくさんの方がオンライン投票や実際目で見て、この作品が一番いいって思った訳ですから。素晴らしい瞬間に立ち会わせて頂きました。おめでとうございます!!

授賞式が終わり、この後は下の階に移ってダンスパーティーです、というタイミングで、私たちは会場を後にしました。ダンスパーティーなんてもの、どのテンションで行けばいいのか分からないし、参加したところで何をどう踊るのかも分からない。みなで堅苦しくなく踊ると言えば盆踊りくらいしか思い浮かばないし(笑)。

タクシーでホテルへと戻り、協会の方々の「飲み直しますか?」の一言に飛びつく私。「飲まなきゃやってらんねー!」と、言う訳ではなく、なんだかこのごちゃごちゃした気持ちを整理するための時間が欲しかったのです。

お酒を飲んで、泣きながらの私の話を沢山聞いて頂きました。後で思い返してみると、自分自身、もっとできることもあったはずなのに、例えば針目ひとつにしても「ま、いっか」と、思ったまま作品提出に至った、その自分に腹が立ったり、「だよねー、私あの時、ま、いっかって思っちゃったもんね」と、納得したり、その時はもう自分の気持ちに整理がつかず、わけがわからない感じでした。でもたくさん励ましの言葉を頂いたり、何もそれだけでは無い、充分戦えていたからこそ、ここに来れたのであって、ノミネートされた事に誇りを持つこと、そして気持ちを切り替えて、囚われずに次に進むこと、ここでは書ききれないくらいの勉強になるアドバイスを頂き、有意義な時間を過ごさせて頂きました。そしてそのおかげで、私は今またこうして前向きにテディベア制作と向き合えています。ご一緒してくださった皆様、この場を借りて心より感謝申し上げます。

部屋に戻ると、嬉しいLINEが。私が尊敬する作家様から届いていました。そこに綴られていたのは、「ノミネートメダルも立派な受賞ですしとても貴重で意味深いことです!!なので堂々と言わせてください。おめでとうございます!」とのメッセージ。

そうだ!そうだよね、同じ想いでいる人は私だけではないし、ここに来れただけでも素晴らしい事!そしてまた泣く私。泣き上戸ですかね(笑)

たくさん泣いて、厄落としできた感じになりました。

◆5日目 4/28(日) ~テディベアトータル2日目!~

私、立ち直ってました!←早いわ(笑)。もうむしろ気持ちは前向き、早く作りたくてうずうずな感じでした。なので今日は生地以外の素材を求めて会場入り。もちろんこの日もベアを抱いていきます!!

ジョイントやTピン、グラスアイ、糸、昨日見れなかったミニチュアファーやリボンなどの副資材を中心に見て回ります。どれもこれも可愛い!色が綺麗。目移りしながら次から次へカゴに入れちゃいました。

午後からは日本人作家様たちと合流出来たので、また昨日のディナー、授賞式についておしゃべりしたり、一緒に会場を見て回ったりと充実した時間を過ごさせて頂きました。

出展していらっしゃる作家様の生地の使い方や、着色の素晴らしさ、全体としてのクオリティの高さに皆で感動しながら会場を見て周り、掘り出し物の生地を発見したり、シュタイフの文房具や、シール、エコバッグにキーホルダーと、あっちにあれがありましたよ!こっちにこれがありますよ!と、ワイワイしながら見て回りました。

そんなこんなで、16時を待って、自分の作品を引取りに行きます。2日間頑張ってくれたFlocke、彼は変わらず凛として、私の気持ちを体現するかのように晴々として、誇らしげにそこにいてくれました!「お疲れ様、Flocke。よく頑張った!ありがとうね!」と、声をかけ、来た時同様、また真綿にくるんで(笑)、彼を連れて帰りました。

夕食はミュンスターでおすすめのレストランへと協会の方に連れて行って頂きました。旧市街を散策しながら徒歩でお店まで歩きましたが、途中、高架下のずらりと並んだテディベアトータルのポスターに感動したり、ベアと写真を撮りながら皆さんに遅れ遅れ小走りについていく怪しい夫婦(笑)。

旧市街の素敵なお店。協会の方に感謝です。お料理も美味しいこと!ドイツにはお料理をシェアするという考えがないようなのですが、ひと皿のボリュームがすごくてびっくりです!!これを日本人の胃袋に収めるとなると、例えばデザート、それだけでもうおなかいっぱいになるボリュームです。スープに至ってはどんぶり?くらいな勢いで出てきます。なので私たちは皆でシェアしながら、たくさんのお料理を頂きました。

ドイツ滞在中、3回ほどシュパーゲルを頂きましたが、私はこの時に頂いたシュパーゲルが1番だった気がしてます。シュパーゲルのクリームズッペ(スープです笑)はここで初めて頂いたのですが、すごくハマるお味でした。

どうやら前日のジョージディナーでも、シュパーゲルのクリームズッペが出ていたらしく、私も頂いたようなのですが、正直、味の記憶は緊張でほとんど無くて、え?食べたの?私が?ほんとに?って感じでした。

なのでこのあとスーパーでクノール(実はドイツブランドなの知ってました?)やマギー(マギーブイヨンのあのマギーです!こちらもドイツブランド)のお湯に溶かすだけ!シュパーゲルクリームズッペの出来上がり!なインスタントスープの素、爆買いして帰りました。

あぁ、書いてるとまた食べたくなってきましたー。

これでテディベアトータル、終了です。

でも私のドイツ旅はあともう少しだけ続きます。