ゴールデンジョージ 3年目のチャレンジ

2025年、私にとっては3回目となるゴールデンジョージへのチャレンジでした。

まず、2022年、初めてのチャレンジでエントリーした時は、なんの情報もない中で、訳も分からず、とりあえずやってみよう!という気持ちでのスタートでした。結果、ノミネートならずだったのですが、その時は「あはは、だよねー!だと思った。そんな世界の壁甘くないよねー!来年またチャレンジしてみよー!」というくらいの気持ちでした。

2023年、2回目のエントリー、1度目のチャレンジの結果や、自分のベア作りを改めて見直して挑みました。その時、エントリーしたベアの名前が「Flocke」、ふわふわした、とか雪のかけらという意味の名前でした。で、名前にちなんで、と、えり飾りにつけた雪の結晶のチャームが仇となってしまい、自分が最初エントリーしたカテゴリー2では無く、カテゴリー5への変更を言い渡されました。どうしても名前とリンクさせることに拘った結果、カテゴリー5でのエントリーとなりました。これが良かったのか悪かったのかは分かりませんが、結果2024年、カテゴリー5でノミネートされるに至りました。

この時はトータルから届いたメールを読んだ瞬間、入っていたお風呂から飛び出し、まだ仕事中だった主人に電話、「聞いて!ノミネートされたみたい!」と、大騒ぎ😂😂😂何度も何度も2人でメールを確認し、間違いじゃないよね、ノミネートされましたって書いてあるよね、夢じゃないよね、と、事実を受け入れられないかなようにオロオロしました笑

この2024年のゴールデンジョージについて、この後のことは前の滞在記に書かせてもらったので省きますが、結果としてはこの時私はゴールデンジョージのトロフィーには手が届きませんでした。

そして今回、、、、

今回のチャレンジは私にとって色んな意味で、とても厳しいものでした。

2024年は年明けからさまざまな出来事が続き、慌ただしい日々でした。それでもドイツに行かせてもらったり、秋にはタイタニックベアオセロコンテストでグランプリをいただくに至ったり、慌ただしい毎日の中で、ベア作りと向き合う時間が私の癒しでした。そんな2024年10月、いま正にゴールデンジョージへ向けてベア作りに励もうとしている時、実の父の余命が幾ばくもないことがわかりました。

そこからはもう本当に眠る時間もないようなバタバタの日々で、あちこちを行ったり来たりしながら父のところに通い、ベアを作っていました。時間的にも、体力的にもギリギリの状態で、でも手を抜くとか、諦めるという選択は、最後の最後までしないという決意の元、12月15日の締切が迫っていました。そしてその締切まで1週間、というところで、父が亡くなりました。家族で父を見送ったその時、「Zwölf(ツヴェルフ) 」はまだ完成しておらず、正直エントリーは無理かも、と、思いました。でも前述の通り、最後の最後まで全身全霊で取り組もうと、使える時間の全てをベア制作に使い、没頭して作り上げた結果、15日締切当日には「Zwölf(ツヴェルフ) 」が納得いく形で完成し、エントリーはなんとか滑り込みセーフとなりました。

ベア作りに没頭することで、悲しさと対峙することを避けていたような形になっていたのかもしれませんが、この時の私は本当にベアに救われました。

そして年が明け、1月21日、昨年よりも早く、ノミネート者が発表されました。その中には私の「Zwölf(ツヴェルフ) 」も念願のカテゴリー2でノミネートされていました✨✨✨

「あー、頑張ってよかった!」と、感じると同時に、これで終わりではないと、緊張が走りました。渡独への準備を進めながらも、ワクワクと同時に武者震いも感じました。

昨年の経験も踏まえ(昨年は荷物が多くて笑われたので)今年は主人とふたりで荷物をスーツケース3つに抑えました。(それでも多い笑)

旅程はまず愛媛から羽田へ、羽田から成田へ移動して、成田からフランクフルトへというスタートです。4月22日の夜、松山空港から羽田へ飛び、その日の晩は羽田エアポートガーデン内のホテルに宿泊、前年のオセロ展の興奮が蘇りました!次の日、23日早朝に羽田から成田へ移動し、日本人ノミネーターの方と合流、フランクフルトへ向けて飛び立ちました。

フライト時間は14時間、日本時間では昼間なので、眠りたくてもなかなかそうはいきません。そうなるとこの14時間は非常に長いもので、ウトウト眠ったあと、残りのフライト時間が7時間、とわかった時の絶望感たるや😂😂😂でした笑

フランクフルト空港到着後移動し、ホテルへチェックイン、機内食がひっきりなしに出てくる感じだったので、駅のフードコートでサラダとソーセージで軽めの夕食を済ませ、眠りにつきました。

翌朝、今日は午前中フランクフルトを少しだけ観光し、昼からはテディベア協会の方と合流し、ケルンへ向かう予定です。あいにくの雨模様で、寒い中でしたが、レーマー広場やシュタイフを見て周りました。途中素敵な教会を見つけて、中に入ろうとしたのですが、(これ、私的には教会あるあるなのですが)入口が分からない‼️‼️中で見物している人達の列は見えるのに、教会の周りをぐるっと1周しても見つからない‼️と、ふと反対側に目をやるとミニチュアの教会のような小さな建物でチケットを販売している模様、早速窓口の方に大人3枚!と伝えると、上に上がるの?と聞かれました。後になって考えるとこの時気づくべきだったのですが……なんで上?と、思いつつチケットを買い扉を開けると出てきたのは、、、教会ではなく、人ひとりが登るのがやっとな小さな螺旋階段!どうやら教会の塔に登るためのチケット窓口だったのです、トホホ、、、。しかしここまで来たら登らない訳には行かず、意を決して階段を登り始めたのですが、登れど登れどたどり着かない!あと少し‼️あと少し😅と、励まされ、ハアハア、ゼェゼェ言いながらやっとの思いで登りきり、小さな展望台にたどり着きました。眼下に広がるのはフランクフルトの街並み、おもちゃのような可愛い街並みの向こうに近代的な高層ビル群が見えて、なんだか不思議な感じでした。雨じゃなければもっと感動できたかもしれません(笑)

この螺旋階段、降りるのも一苦労でした。ぐるぐる回る感じに途中転けそうになりながら、下に降り、今度はチケット窓口の方に教会への入口を確認、なんと、まさかここは開かないよね、と言っていたドアがまさに入口だったらしく、なんとか無事、教会本体も見学することが出来ました。大きなパイプオルガンや素敵なステンドグラスなどあったはずなのですが、記憶では螺旋階段しか残ってません😂😂😂

気を取り直して、テディベア協会の方と合流し、ケルンへ移動です!ケルンの駅へ降り立つともうすぐ目の前にはケルン大聖堂✨✨この荘厳さには本当に圧倒されます。ホテルへチェックインし、ドイツ料理でお昼ご飯です!(シュパーゲルやシュパーゲルのクリームズッペ、シュニッツェルなどなど)を食べ、おやつにチュロスも買い食いし笑、ケルン大聖堂や、美術館を観光しました。この旅の間、何度も教会を見させて頂きましたが、旅の前にローマ教皇が亡くなった事で、教会では教皇のための祈りの歌や儀式を行っている場面を何度も目にしました。私にとってはまるで映画の世界のようで、厳かなその風景に心を打たれました。

ケルンでは昨年乗り損ねた可愛い観光バスにも乗りましたよ!

翌日、ケルンを後にし、いよいよミュンスター入りです。高速鉄道に乗ってミュンスターに着いたら、大事に大事に手荷物として日本から抱えてきた「Zwölf(ツヴェルフ) 」をトータルの会場へ展示しに行きました。昨年と同じく、会場の真ん中辺りにそのステージはありました。狭いバッグから出てきたZwölf、毛並みを整え、ポーズを取らせると、やっと大きく呼吸をしたように見えました。「可愛いよ、頑張ってね!」と声をかけ設置はこれで終了です。コンテスト会場を見渡すと、数々の素晴らしい作品達が並んでいて、その中に自分の作品を並べられることを誇らしく思いました。

この日は他の日本人ノミネーターの方や、渡独されている方々との食事会がありました。ベア談義に花を咲かせ、楽しい時間はあっという間でした。

ホテルへ帰りつきましたが、明日のことを考えると当然眠れません、、、笑

そしてテディベアトータル初日です。パスを発行して頂いたので、開場よりも前に会場入りさせて頂きました。会場内には足を踏み入れた瞬間から、もう興奮しっぱなしです。とりあえずぐるっと見て回ってから、なんて言ったその先から、テーブルに足を止めます。とにかく刺激がたくさんで、勉強になることばかり🐻端正なベア達が所狭しと並ぶ会場内を1周したら、それだけでもう脳内フル回転です。やりたいことや、やってみたいこと、使ってみたいものに沢山触れて、私の中の"欲しがり様"も覚醒✨✨緊張や興奮のせいもあると思うのですが、リミッターをかけられない感じのまま、テディベア🧸はもちろん、生地や副資材も前回よりさらに沢山買い込みました。

出展者様のディスプレイはとても素晴らしく、ベアの世界観も表現されていました。高さを出したものも多く、上からも吊るされていたり、裏は見えないように工夫されていて、自分もこうしたいなと思いました。(できるかどうかは別として笑)

会場内を2度3度と周りましたが、回れば回るほど欲しいものが増えていく感じでした。

疲れてきたところで一旦ホテルに帰り、一息入れて、着替えて授賞式を待ちます。

授賞式はトータル会場近くの可愛いレストランでした。レストラン内に1歩入ると、心臓が大きく波打ったようで、ウェルカムドリンクを頂きましたが、緊張で喉を通らず、なのに口はカラッカラ、自分の身体なのに意味がわかりません。テーブルに着いてからも昨年同様落ち着かず、ディナーが始まっても取りに立ち上がることも出来ずじまいでした。親切な周りの方に取って頂きましたが、やはり食べたか食べてないのか分からない状態でディナーを終え、いよいよゴールデンジョージの発表です。

コロナ禍で来場が叶わなかった方のトロフィーの授与に続き、カテゴリー1から発表となりますが、日本人ノミネーターの中ではカテゴリー2がトップバッターとなりました。ノミネーターの作品がスクリーンに投影され、名前を呼ばれ、スクリーン前へ、張り詰めた空気の中、心臓は高鳴り、緊張は最高潮、そこで「GOLDEN GEORGE goes to ERIKO TOKIEDA!」、スクリーンに移されたZwölfを見た瞬間に、私は崩れ落ちて泣いてしまいました。立ち上がってトロフィーを受け取ると、同じノミネーターの方から「Congratulation!」と、声をかけて頂きました。受賞を逃した方も、受賞者を心から称える。その温かい心遣いに感謝の気持ちでいっぱいになりました✨でも私、興奮して訳が分からなくなっていて、この時思っきり「ありがとうございます!」って日本語で返事しちゃってるんですけどね😅

席に帰っても涙は止まらず出したが、カテゴリー3、カテゴリー4と、日本人ノミネーターの方がいらっしゃったので、気を取り直してスクリーンを注視、なんとカテゴリー3では@chouchou_teddy様、カテゴリー4では@sae_re様、と、連続で受賞‼️ゴールデンジョージの歴史において日本人が3人も同時に受賞するのは初めてであり、快挙との事、そこに自分もいるなんて、こんな光栄なことはありません。みなで喜びを分かち合いました😊

@chouchou_teddy様、@sae_re様様、お二方とも、改めまして受賞おめでとうございます🎉。ご一緒できて幸せでした!その素晴らしい瞬間に立ち会えたことを光栄に思います。

授賞式での喜びの瞬間は、様々なのですが、どのシーンもまさに心を揺さぶるものです。大声で歓喜を叫ぶ方、感極まって涙をこぼす方、喜びのあまり飛び跳ねる方、そのどれもが、努力と情熱の結晶として輝いて見えます。そこにかけてきた想いが、ストレートに伝わり、感動を覚えます。この瞬間を目の当たりにすると、受賞者様の歩んできた道のりと、ここに賭けてきた熱い想いが伝わってくる気がします。皆様本当におめでとうございます!

授賞式の後はダンスパーティなのですが、やはり皆で集まって楽しく踊ると言えば、盆踊りくらいしか思いつかない純日本人の私はそそくさと退散です。

部屋に戻るとお祝いのメッセージやLINEが届いていました!メッセージやLINEをくださった皆様とても感動しました。ありがとうございました✨

【GOLDEN GEORGE審査員の浜口先生と】

この晩、ここに至るまでずっとよく眠れないという日々が続いていたので、これでやっと眠れるかなって思ったのですが、今度は興奮しすぎてあまり眠れないと言う結果になりました😅

今回私は念願のトロフィーを手にすることが出来ましたが、これは私一人だけでは決して成し得なかったことで、これまで私を支え、理解し、応援してくださった皆さまに心から感謝したいと思います。そして、この受賞はゴールではなく、むしろ新たなスタートだと感じています。

私のゴールデンジョージへのチャレンジはこれで終わりではありません。まずは頂いたこのトロフィーに恥じぬような作品を作り続けて行けるように、今まで以上に努力を続けていきたいと思います。そして試行錯誤を重ねながら、ひと針ひと針丁寧にベアを縫い上げていきたいと思います。

そして新たな挑戦を重ねることで、少しずつでも成長していけるように、日々の積み重ねを大切にしていきます。どんな作品が生まれていくのか、自分自身も楽しみながら、自分とベアの創作の旅を続けていきたいと思います。

テディベアトータルを自分の目で見て思うことは、まだまだ学ぶべきことが多いという事、学ぶべきことが多いということは、自分に成長の余地があるということ、自分の伸び代を信じ、感謝の気持ちを忘れずに、自分らしい作品を作っていけるように、1歩ずつ進んでいきたいと思います。

私のテディベアトータル体験記は以上です!

ここまで読んでくださってありがとうございました。拙ない文章にお付き合いくださいましたこと、感謝いたします。

<パリ編に続く>